

画期的なIT技術で医療現場を支えるサービスを提供してきた「株式会社ワイズ・リーディング」。2007年に起業し、熊本のみならず全国の医療機関から注目を集める成長著しい企業です。
起業のきっかけは、同社代表取締役の中山善晴さんが放射線科の専門医だった頃に直面した、「画像診断における地域の医療格差」という問題。放射線科専門医の確保が難しい医療現場における課題を解決するために起業し開発されたのが、「遠隔画像診断システム」です。医療機関で投影されたCTやMRIの画像データをインターネットで受信し、同社の専属医師が画像診断を行うもの。医師の得意分野によって読影依頼を振り分け、さらに経験豊富な医師が二次読影するダブルチェックシステムを採用し、従来の他のシステムより質の高い診断結果が提供可能となっています。現在、全国の医療機関から年間約9万件の依頼を受けるなど、高い信頼を得ています。
また、「最先端のIT技術を活用することで医療の新時代を強力にサポートし、医療分野の人材不足解消、業務改善に貢献する」というスローガン実現のため、社内に人工知能研究所を設立し、研究・開発に注力しています。膨大なデータベースを人工知能(AI)が分析し、適切な言い回しや関連語の抽出、類似文書や参考資料の掲示を行うことで質の高いレポートを簡単に作成することができる「Y’sCHAIN(ワイズチェイン)」、遠隔診療で利用できるWEB会議・遠隔診療システム「Y’sConnect」、急性期病院から回復期施設への転院作業を効率的に進めるWEB連携システム「Y’sBridge」など、AIをはじめとした最新のIT技術を駆使したシステムを開発し、販路を拡大しています。
2019年には、県内に点在していたオフィスを統合。「企業として地道に成長を続けてきた今、次のフェーズに移行する時期に来ている」と中山さん。未来に向けた新しいビジョンを掲げ、事業を展開しています。